【米国Top50を分析】Substackで勝てる4つの収益モデルとは?
Substack米国収益ランク上位50誌を分析して分かった、「勝てる4つの収益モデル」とは?
「Substackは儲かるぞ!!先行者優位!🔥」という甘い言葉が飛び交う中、
「本当にこのSNSは稼げるのか..💦」と気になったので、
実際に「米国収益ランク上位50誌の収益モデル」をリサーチし、どの収益モデル、どのジャンルが英語圏で稼げているのかの調査を行いました。
はじめまして!データアナリストのみらです。
現在は諸事情により、匿名で記事を書いていけたらと思います。
【目次】
米国収益ランク上位50誌:稼げているジャンルリスト
勝ちパターンは大きく分けると4種類
収益モデルの価格帯中央値
Substackの収益モデルの仕組み
日本人は今どう動くのが勝ちやすいか
本記事では、Press Gazette、Substack公式、Growth In Reverse、Really Good Business Ideaなどの一次データを統合し、英語圏Substack Top50誌の収益構造を5つの視点から分析しました。
データを見て分かったことは、
「市場の偏りは想像以上に極端」ということでした。
1 : 収益ランク上位50誌の稼げているジャンル一覧
最初に、英語圏Substackの収益分布を見てみましょう。Press Gazetteが集計した年商7,500万円超の52誌を分析した結果、ジャンル分布は以下の通りでした。
注目すべきは、米政治1ジャンルだけで全体の46%を占めるというデータです。上位4ジャンル(政治・金融・テック・ビジネス)を合わせると収益の8割に相当しています。
加えて、年商1M(1.5億)超ARRの45誌のうち44誌が、政治・金融・テック・ビジネス・健康・キリスト教信仰・文化(少数)の7カテゴリーに集中。
Substack内には全29カテゴリーが存在する中、 残り22カテゴリーで年商$1Mに到達した媒体はほぼゼロ。(Casandra Campbell 2025年分析)
ここから読み取れるのは、ニュースレターというメディア形式は「定期的な解説・論評」と相性が良いということです。
米政治・金融・テクノロジー・ビジネス—これらはすべて「最新動向を継続的に追う必要がある」テーマ。逆に、文化・食・歴史・スポーツなどは記事単位で完結しやすく、ニュースレター形式で継続課金を取りにくい構造になっている。
これは日本でも英語圏でも共通する構造的事実で、「自分が書きたいジャンル」と「ニュースレターで稼げるジャンル」は必ずしも一致しないということ。
2 : Substackでの勝ちパターンは大きく4種類
米国上位50誌の収益モデルを分解すると、
収益化のモデルが4つに分かれていることが分かりました。
型1. 大衆動員×低単価型
このモデルの特徴は、全記事を無料公開しながら「支援したい」読者から課金を取る点。広告・スポンサーを一切取らず、300万人近い無料購読者の中から、数十万人が年$50(約7500円)を払ってくれるモデル。
このモデルは強力ですが、「毎日投稿を絶やさない覚悟」と「米政治・歴史・宗教というジャンル選定」が前提。なので、日本人が再現するのはほぼ不可能。
型2. B2B経費精算型
このモデルの強さは、「会社の予算経費として支払うことが出来る」ことにある。個人で年$150を払うのは少し迷う価格でも、会社経費なら通る。
Lennyは$300/年の「I Can Expense It」tier、Notion・Linear・Granola・Superhuman・Perplexityをまとめた企業向けバンドルプランを用意した。
型3. 金融プレミアムモデル
代表はCitrini Researchなど。
投資判断に直結する情報を、年$300-$1,200という最高単価で売るモデル。Doomberg Proは月1回1時間のZoomが付くPro tierで、購読者の約20%(約2,000人)がこの最高Tierを支払い、収益の50%以上を生んでいる。
このモデルの本質は「少人数 × 超高単価」。数千人の有料購読者で年商$1M+ (1.5億円)ARRが成立する。投資情報という「リターンに直結する価値」だからこそ、$1,200/年という他ジャンルでは不可能な価格設定が機能している。
型4. Substackは集客装置モデル (メインは外部商品)
Substackやニュースレターはほぼ無料、
本体収益はコース・コミュニティ・コーチング・SaaSというモデル。Justin Welshはコース販売($150〜$300)だけで$1.3Mを稼ぎ、Codie Sanchezは外部の高額コース・コミュニティを主収入源にしている。ニュースレター単独だとARPUがほぼゼロでも、外部商品込みでARPUは$300-$500まで上がる。
現在の日本でも、このモデルを採用しているプレイヤーは非常に多い。
ここで重要なのは、「無料+支援型課金」だけで勝てるのは型1だけということ。それ以外の型では、価格設計・経費精算誘導・外部商品など「収益導線の仕組み作り」が結果を大きく左右している。
3 : 価格帯の中央値
Newsletter Circleが75,000誌を調査したデータ(2024年5月)を見ると、
価格分布はこうなっている。
平均月額: $10
平均年額: $96 (月単価×10ヶ月=2ヶ月割引が業界標準)
中央値月額: $5
平均Founding Member価格: $310/年
全Substackの平均月額は$10、平均年額は$96、Founding Memberの平均は$310。Substackのデフォルト推奨価格は$5/月・$50/年で、最も多いゾーンは$5〜$15/月。
注目すべきは「経費精算帯$15/月」という数字。
Lenny、Pragmatic Engineer、Aakash Guptaはすべてここで勝負している。「個人で年$150は迷うが、会社経費なら通る」という心理的閾値を狙えるかどうかが、収益性を分ける最大のポイント。
また、驚くべきデータの一つとして、$1M+ ARRの45誌のうち、約半数は有料購読者「数千人」帯にとどまる。Casandra Campbellの分析では、価格(相関係数r=0.46)のほうが、購読者数(r=0.36)より結果的な収益に影響を与えている。
4 : Substack収益モデルの仕組み
Substackには無料購読と有料購読の2層がある。記事は「全文無料」「一部有料」「完全有料」の3形態で配信できる。
ここで日本人プレイヤーが誤解しやすいデータとして、Substack公式は「無料→有料転換率5-10%」を公称しているが、実データの中央値はわずか3%しかない。
Casandra Campbellの50件超分析では、
有料転換率5%を超えるのは全体の20%のみ。テック系では2%が実態。
つまり「フリー1,000人で課金30人、年$150なら年商$4,500」が現実的な出発点。
トップ層は3つ以上の収入源を組み合わせている
トップ層の収益構造を分解してみると、
3つの収入源を組み合わせているケースが圧倒的に多かった。
Growth In Reverseが分析した66誌のうち、多くのトップ創作者は3-5の収入源を持つ。ニュースレター単独で完結するのは少数派。
そして注目すべきは、最上位層はSubstackから離脱し始めているという事実。
The Ankler(Hollywood業界紙、150K paid・$10M ARR)→ 2026年4月にSubstackからBen Thompsonの自社プラットフォームPassportに移行
Platformer(Casey Newton、172K+購読)→ 2024年Ghostへ移籍
Mill Media(UKローカルニュース6誌)→ 2025年Ghost移籍
理由はシンプルで、
規模が一定を超えるとSubstackの10%手数料が割高になるからだ。
つまり、Substackは「最初の1,000人を集めるための場所」として最適だが、収益が一定以上に育ったら、自社運営に切り替えるのが英語圏トップ層の標準的な動き方。
5 : 日本人が実行できるビジネスモデル
以上から、日本人におすすめできる道は3つに絞られる。
ここまでのデータを踏まえると、日本人にとっての勝ち筋は明確になる。
まず、米政治・米セレブ・米食文化で勝負するのは構造的に無理がある。型2のB2B経費精算や型3の金融プレミアムは英語圏のスケール感があってこそ機能する側面が強く、日本市場に直接移植しても同じ結果が出にくい。
そこで、英語圏の4つの型を
日本市場の購買心理・課金文化に合わせて再構築する必要がある。
以下、フォロワー数千〜数万、まだ本格的に商品化できていない初心者〜中級者が現実的に実行できる型へ絞っていく。
日本人が現実的に実行できる、3種類のビジネスモデル
【①】ニュースレター集客 ×「3〜10万円の単発コース販売」型
本質:noteや無料メルマガで継続的に専門知識を発信し、信頼を積み上げた読者に対して、1回買い切りの教材コースを売る。 このモデルは最も再現性が高く、ストックビジネス化しやすい。
このモデルの強みは、「半年〜1年の無料発信で信頼を熟成させ、買い切り教材で一気に回収する」二段構えの構造にある。日本の購買者は月額課金より単発買い切りを好む傾向が強く、3万円の買い切りは「1回払えば終わり」という心理的にラクな決済構造を持つ。(イケハヤ氏の明鏡など)
価格帯は、入門9,800〜19,800円、標準29,800〜49,800円、高単価98,000円〜が日本市場の主流。最も売れるスイートスポットは19,800〜29,800円。これは「個人のクレカ決済の心理的閾値」に合わせた設計。本体コース+特典15点といったボリューム感の演出も日本市場の定石になっている。
英語圏で言えば、Justin Welshはコース販売($150〜$300)だけで累計$1.3M超を稼ぎ(2022年時点)、現在は総収益$10M超のソロプレナーになっている。
【②】ニュースレター × 「月額1,000〜3,000円の低単価コミュニティ」型
本質:無料ニュースレターやXで関心層を集め、その上澄みを「月額制の小さな学びコミュニティ」に転換する。継続収益が積み上がるため収益が安定する反面、運営工数がかかる。
このモデルの本質は、「ファンを継続収益に変える土木工事」だ。月額3,000円×500名で月150万円が安定的に入り、コース型のローンチ依存がなく経営が読みやすい。
一方で、日本の消費者は月額課金への抵抗が強く、中田敦彦氏のPROGRESSが5,980円→980円に値下げした事例が示す通り、低単価サロンですら継続会員の維持が難しいのが現実だ。
それでも機能する理由は、コミュニティが売っているのは情報ではなく「居場所」だから。会員はコンテンツの質より、仲間との交流・成長の場・オーナーとの距離感に対価を払っている。
価格のスイートスポットは月980〜3,000円。これより高いと法人経費精算層に絞られターゲットが激減し、低すぎると熱量の低い会員ばかりになる。規模は100〜500名が最もスケーラブルで、500名超になると管理コストが指数関数的に増え、運営委譲の仕組みがないと破綻する。
最大の落とし穴はチャーン(解約率)との戦い。業界平均の月間解約率は5〜10%で、年間で会員の60〜70%が入れ替わる計算になる。サロン経営者の仕事の半分は「新規加入を作るための外部発信」になると覚悟しておきたい。また、コミュニティはオーナーの熱量と最新の知見に強く依存するため、自分が10年話し続けられるテーマかを最初に問うことが長期生存の鍵になる。
【③】ニュースレター(有料) × 「B2Bコンサル/顧問/講演」型
本質:Substackやnote定期購読(月500〜2,000円)を権威性のショーウィンドウとして運用し、本来の収益は法人向けコンサル・顧問契約・講演で取りに行く。最も少ない読者数で最大の年商を作れる型。
このモデルが3つの中で最も収益効率が高い。理由はシンプルで、読者が数百人規模でも年商数千万円が成立しうる構造だからだ。
法人顧問1社年600万円×5社で年商3,000万円
読者数の多寡ではなく「読者の質」で勝負する型になる。
ここで決定的に重要なのは、ニュースレターは収益商品ではなく「権威性の証明装置」だという点。月額1,000〜2,000円のサブスクは単独で月数万円にしかならないが、「数百人の経営者・事業責任者が継続購読している」という事実そのものが、法人案件の単価を10倍に押し上げる。
Ben Thompsonの本当の収益源も、サブスクではなく講演・顧問契約・株式である。
最大のハードルは実績が前提条件であること。「元◯◯社CMO」「年商◯億円事業を作った」など分かりやすい肩書きがほぼ必須で、商業出版の書籍があると単価が30〜50%上がる。実績がない状態で始めると「サブスク100人集まったが法人案件ゼロ」の詰みに陥ってしまうことに注意。
本記事のまとめ
英語圏Substackは、感覚で「文章が上手ければ稼げる場所」ではなく、ジャンル ×型 × 価格 × 収益モデルの4要素で結果が決まる極めて構造化された市場でした。
最後に、本記事で押さえておきたい4つのポイントを再掲していきます。
ジャンルの偏りは想像以上:年商$1M超の45誌のうち44誌が、わずか7カテゴリーに集中。残り22カテゴリーはほぼゼロ。
勝ちパターンは4種類しかない:大衆動員×低単価/B2B経費精算/金融プレミアム/集客装置モデル。それ以外の道は基本的に存在しない。
「数より単価」が真理:$1M+ ARRの約半数が有料購読者「数千人」帯。価格設定(r=0.46)のほうが購読者数(r=0.36)より収益との相関が強い。
転換率の現実は3%:Substack公式公称の5〜10%は理想値であり、実データの中央値は3%。フリー1,000人で課金30人が出発点。
日本人が今から参入するなら、英語圏の型をそのまま輸入するのではなく、日本市場の購買心理(月額より単発買い切り、 コミュニティは居場所)に合わせて再構成することが必須になる。
PS: いやー… やっと終わりました…
ダブルチェックも含めて凄く時間がかかったので、かなり疲れました..😭








